イベント2025.07.11
劇団UMA公演 脚本・演出/ 静恵一(サミットクラブ)
演劇「私、神ですけど」は、観る者すべての心に深い余韻を残しながら、
大盛況のうちにその幕を閉じました。
観劇をした方々は予想をはるかに超える感情の波に包まれ、
最後には誰もが静かに涙を流していました。
この作品は、「神」という存在を通して、人間の生き方、
つながり、そして“家族”の意味を私たちに強く問いかける、心震える舞台でした。
「神」として現れたのは、ひとりの“迷える魂”
物語は、ある家庭に突然「自分は神です」と名乗る人物が現れるところから始まります。
不審に思いながらも、家族は少しずつその存在を受け入れ、
そしてぶつかり合いながら日常をともにする中で、それぞれが抱える“心の孤独”と向き合っていきます。
夫婦・嫁姑、そして子どもたちとの問題・・・
言葉では言い尽くせない距離と、理解し合えない痛み。
観客は、彼らの姿に自分自身や、自分の家族を重ねずにはいられませんでした。
そしてこの最高の舞台を作り上げたキャストの大半が、演劇初挑戦という顔ぶれだったことを知れば、
多くの観客が驚くことでしょう。
それほどまでに、彼らの演技は堂々としており、時に繊細で、時に激しく、
まるで長年舞台に立ち続けてきた役者たちのような深みを感じさせました。
とくに感情の起伏が激しい場面では、観客の息を呑むような静けさが劇場を包み、
最後は涙とともに惜しみない拍手が送られました。
“初めてを感じさせない”
そう形容されるにふさわしい、魂をぶつけ合うような演技の数々が、
この舞台を支えていたのです。
家族とは何か。
人はなぜ、近くにいる人にこそ優しくできないのか。
そして、それでもなぜ人は、誰かとつながろうとするのか。
「私、神ですけど」は、その答えを提示しません。
でも、心の奥に火を灯すように、“問いかけ”を残していってくれます。
この演劇に出会えたことに、
そしてご来場くださった全ての皆さまに、心からの感謝を込めて。
次回公演もぜひ楽しみにしていてください!!!